モニュメントを観光客に効果的に見せるためにはどうすればいいのかという観点から、ルートの実例を紹介(「フランス語で街歩き」広島平和記念公園編レポート)

「フランス語で街歩き」シリーズで、東京近郊から離れた観光スポットを扱う初の試みとなる広島平和記念公園編。「平和のためのヒロシマ通訳者グループ(HIP)」が発行するガイド本『HIPの平和公園ガイド』を題材に、駒場の教室で開催しました。同ガイド本は、日英版のみ市販されているのですが、ルグラン先生、なんと受講生のみなさんのために仏語版を作成してくださいました!このサプライズに冒頭から大盛り上がりの授業となりました。

キャプチャ

広島は、世界で初めて原子爆弾が投下された都市ということもあり、ガイドとしては外せないスポットとのことで、フランス語圏からの観光客も多く、実際にルグラン先生も何度も案内されているそうです。現在はもちろんのこと、戦前・戦中のビジュアル資料を参照しながら、授業は進んでいきました。

広島平和記念公園を案内する場合、何よりも原爆に関する知識が欠かせません。たとえば「爆心地」を説明する場合、le centre de l’explosion(爆発の中心)という表現以外に、le hypocentreという単語もあるとのこと。先生の翻訳と解説を通じて、さまざまな語彙を学ぶ機会となりました。また、原爆死没者慰霊碑の「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」という有名なメッセージについても、先生はその主語のあいまいさを指摘されていました。一見したところ自然な日本語でも、異なる言語に訳する営為を通じて、普段なら見過ごしてしまう視点に気づかされるというのは、異文化理解で欠かせないポイントではないでしょうか。

現地に赴かなくても、課外授業のノウハウを学ぶこともできます。たとえば平和の灯の場合、その台座は両方の手のひらを上に向けて広げた形に造られています。ルグラン先生は、そうしたモニュメントを観光客に効果的に見せるためにはどうすればいいのかという観点から、ルートの実例を紹介していました。広島平和記念公園は、原爆ドーム、平和の灯、原爆死没者慰霊碑、広島平和記念資料館が一直線に並び、慰霊碑のアーチの奥に原爆ドームが見えるように設計されています。都市の復興への願いを見事に体現した丹下健三の代表作のひとつです。そうした地形や建築に関する特徴を理解しておくことも、印象に残るガイディングに役立つのではないだろうか。授業を見ていてそのように感じました。(次回の「フランス語で街歩き」は 11/25(日)明治神宮&原宿編です。現地での実践演習となります。詳細はこちら

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